2012/02/15

SEOのスキルセット/あるいはSEO業界へのお誘い

カテゴリ: SEO | | | このエントリーをはてブに追加 |

SEOのスキルについてのツイート

先日、SEOのスキルセットについてのツイートをしました。
私は、他の職種からSEOになる場合、アクセス解析の方かWeb制作全般を幅広く行われてきた方が一番と思っています。幅広い範囲が求められるSEOのスキルセットに一番近いのはアクセス解析と思いますし、小さなWeb制作会社などで営業から制作まで大量にやってきたような人も適正が高いと思うのですよね。
この件を掘り下げて書いてみようと思います。

SEOのスキルセット

SEOの専門家(人工リンク中心ではない)、特に高いレベルのお客様にSEOを提供する側になるには、検索と検索行動、検索エンジン周りの知識は当然の事として、Webデザイン、HTMLコーディング、ユーザビリティ等のWeb制作に関わる広い知識が必要になります。

Web制作上の知識が無くてSEO観点でのサイト改善を提案できるはずがありません。
SEOは、Web制作の方が作られたWebサイトを変更するアドバイスが主な仕事です。すべてのWebサイトの構成要素には意図があります。その意図を理解せず変更を提案してもほとんどが無駄になってしまいます。
Web制作の意図を汲み取るためには、どのような制限の中でどのような目的でWebサイトを構築しているかを理解しなくてはなりませんので、Web制作の知識は必須と考えています。
また、アルゴリズムの推測においても、Web制作の観点と知識は必須でしょう。

Webライターとしてのノウハウや、ユーザビリティ・成果に向けた改善を行うためのアクセス解析、大きなサイトのSEOに関わる場合はサーバの知識が必要になります。

最新知識も重要です。例えば、HTML5をある程度理解しないとHTML5のサイトへSEO提案はできるはずがありません。jQueryを検索エンジンはどう認識するかという知識だけではなく、jQueryで何ができるか・どれ位面倒かということを知らないことには、お客様の前でjQueryなんて口にだせません。

ネット上でどのような話題が盛り上がっているのか、どういう事が話題になりやすいのかという観点も非常に必要になりました。
ソーシャルメディアの理解も必須です。それぞれのソーシャルメディアの仕様や使われ方を把握しないと、ソーシャルメディアをSEOに活かしきるのは不可能でしょう。

最新技術を一切使用せず制作のレベルが高くないWebサイトを対象にSEOを行う場合でしたら、Webの知識が無くてもどうにかなります。しかしそういう場合でも「SEO観点でも、コンバージョンを生む観点でもプラスになる」提案が出来れば、施行もしていただける事が多いですし、非常に大きな効果に繋がります。

SEOのスキルセット
このイメージは、_gaTracker話させてもらった時の資料からの抜粋ですが、今まで私がSEOの仕事の中で必要になった知識を書きだしてみたものです。

SEOはあまりに領域が広すぎます。すべての情報を整理しようとしている検索エンジンを相手にするには、極論、世の中のすべての情報のあり方を理解しなくてはなりません。まぁそれは無理ですが主戦場となるインターネット周り全般を把握する必要があることは当然とも言えます。
それぞれの分野はある程度浅くても良いものの、すべてを一人で網羅しようとするといろいろなものを捨てないといけないですね。
健康で文化的な最低限度の生活とか。幸せな結婚とか。2月14日にひとつもチョコレートをもらえないようになる覚悟とか。これを書きながらディスプレイが滲んでもキーボードを打ち続けられる技能が必要になることとか。

すべてのSEO専門家が上イメージのスキルを高いレベルで持つ必要は無いでしょうし、不可能と思います。
浅くてもひと通りは知るべきと思いますし、そういうスキルを持った人がチームを組んで行う必要があると思っています。

チームで働かないフリーランスの私は、やはり自分にある程度の知識を備える必要がありますが、私もまだまだです。
最近は、非常に優れた方々と仕事させて頂くことが多くなって学べる機会も増えましたが、身に付けないといけない事だらけで勉強の日々です。

他の職種とSEOのスキルセット

では、他の職種の方がSEOになるとすると、どのような方がスムーズなのかを考えてみます。

リスティング広告からSEOへという流れは、スムーズなように思いますが、必ずしも最適ではないと思っています。
リスティング広告とSEOは、職種は同じSEMとして括られますが、ツイートでも書きました通り「同じ野球選手として括られるピッチャーとキャッチャー位違う仕事」と思っています。

リスティング広告は自分は浅い経験しかありませんので自信はありませんが、リスティング広告の実務を行うためには、必ずしも深いWebの理解が必要なわけではないと思っています。ある程度のランディングページの理解は必須ですが、サイト全体の把握が必要になるケースは少ないはずです。
例えば、リスティング広告の高いレベルの専門家でHTMLを深くは知らない・実際にサイトを作ったことが無い人にはたくさん会いましたが、高いレベルのSEO専門家で自分が中心でしっかりしたWebサイトを作ったことが無い人には、ごく数名を除き会ったことがありません。

「検索行動の理解」とそれに含まれる「キーワードマーケティング」という分野では、リスティング広告の専門家は非常にレベルが高いです。SEOの専門家のそれを大きく上回ることが多くあります。しかし、Webサイトの要件によって対策可能なキーワードが限定される件や、リスティング広告を出稿することがまれなタイプのWebサイトなど、リスティング広告の専門家が理解しづらい事もあります。

リスティング広告の専門家が十分にSEOに必要な事を学んでSEO専門家になった場合、重要なキーワードマーケティング分野で多くのSEOよりも素晴らしい発想ができる、価値ある人になるかと思います。
ただ、Web制作の領域を知らない方には、その道のりは楽なものではないだろうな、と思います。

ではどのような職種ならSEOに向いているのかと考えますと、「アクセス解析」以上の職種は無いのではないでしょうか。
アクセス解析の専門家もWebの全領域の知識が求められる場合が多いです。Webの全体を把握する必要があるのですから当然と言えば当然です。
さらに最近では「Webサイト上でのユーザの動線を改善する」事と「検索エンジンに評価されるWebサイトを作る」事は、多くが一致する場合が多いです。アクセス解析で培ったスキルは、少しだけ観点を変えるとSEOでそのまま活かせるでしょう。

ただ、アクセス解析に求められるスキルセットは、SEOと同じかそれ以上に広くて深いものと思います。ですので、優れた専門家も非常に少ないと聞いています。

アクセス解析以外ならば「Web制作を全領域で続けてきた方」というのが一番適しているでしょうか。
コーディング専任、デザイン専任のように分業できるような良い環境ではなく、営業から制作、プログラミングまで幅広い領域を一人でやってきたような人が数年で身につけるスキルは、そのままSEOの実務で必要なものばかりです。
このような方が、数社のしっかりしたSEO会社で「検索エンジンの考え方」「ユーザの検索行動」を本格的に学べたならば、SEOの専門家は非常に近いものになるでしょう。

SEO業界に来ませんか?

上で書きましたような人は、転職市場でも価値がある人です。
アクセス解析の専門家は引く手あまたと聞きますし、Web制作の全領域のスキルを持っている方も制作会社・インハウスともに重宝されるでしょう。やはり、そのような方は希少ですので。

ただ、日本のWeb業界の各職種の市場規模とプレイヤーの数の比率では、SEOが一番希少と考えています。
日本のSEO市場はここ数年で拡大しました。が、人工リンクレンタルがこれまでのSEO会社のサービスのほとんどでした。

海外では外部リンク中心ではない形で進化している国が多くあります。米国ではSEOの職種別の給料調査が行える程多様になって進化してきています。
上記米国調査では4%程度の「リンクビルダー」が、日本では90%以上を占めているのではないかと私は思います。

その中、色々と話が流れていますのでここでは詳細を書きませんが、今の形の「リンクビルダー」が活躍できる場は小さくなってきています。
おそらく今後もリンクの専門家は残ると思いますが、僅かな高いレベルの専門家以外はリンク中心で商売することができなくなると考えています。この動きが本格的に始まったのは昨年夏ですが、この半年強でさらにその速度を早めています。
SEO会社も人工リンク中心からそうではないように転換を図っている所もあるようですが、それを短期間でできるほどSEOに必要な知識は浅いものではありません。
ここ数年でSEO市場が拡大したにもかかわらず、しっかりしたサービスを提供できる人/会社が減少を続けているのが今の状況だと思います。

今、SEOのスキルセットを多く持った方がSEOの専門家に転身できたならば、自分の価値を早く大きく高められると思います。また、アクセス解析の方のサブスキルとしてもSEOは非常に良いものではないでしょうか。
今後に迷われている方がいましたら、ぜひ検討してみてくださいませ。

じつは小さいSEO業界で、みなさまのお越しを心からお待ちしております!

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