2012/05/15

HTML5とSEOについて「HTML5とか勉強会」で話してきました。

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4月25日に開催された、HTML5とか勉強会の第29回、「HTML5ビジネス最前線(B2C編)」のパネルディスカッションにパネラーとして参加しました。

HTML5とか勉強会は、HTML5の世界で高名な白石俊平さんが主催されている勉強会で、申し込み開始してもあっという間に100名以上が申し込んで満席になってしまう人気の勉強会です。
HTML5は私も勉強したいテーマですので、何度も申し込もうとしていましたが毎回撃沈。それを裏口参加(?)できただけでも嬉しいものでした。

私が参加した第28回は「HTML5ビジネス最前線(B2C編)」という内容。

全体のレポートはgihyo.jpの記事「第28回 HTML5とか勉強会 HTML5ビジネス最前線(B2C編)」活動報告」に詳しいので、宜しければ御覧ください。

パネルディスカッションはHTML5に様々な立場から関わる5名がパネルとして「HTML5でビジネスはどう変わった?どう変わる?」がテーマ。モデレータの白石さんを始めとしてHTML5の専門家やHTML5に日々関わられている方の話は、私にも勉強になるものでした。
私は門外漢でしたが、SEOの観点でのHTML5についてはひと通りお話できたかなと思っています。

その場でお話した事や、改めてSEOとHTML5について考えた事をまとめておきます。

SEOとHTML5

以前「SEOで大事な事を3つ上げると?」と聞かれたときに、「キーワード」「リンク」「論理構造化」の3つだと回答しました。

HTML5はより論理的なHTMLを書く事ができるわけですので、ページを論理構造化しやすいHTML5とSEOは本来非常に相性が良いもののはずです。
しかし現段階ではGoogleの順位評価においてHTML5をプラスにもマイナスにも使っていない、ということが繰り返し語られています。

複数の経験上、この事は現段階で信頼に足る情報と考えています。

しかし、HTML5はSEO観点で何も考えなくていいわけではありません。
私が考える「HTML5とSEOを考える際に注意すべきポイント」は、3つあります。
「現状プラスもマイナスもない」「リッチスニペットでは重要」「リスクもある」です。

現状ではHTML5の新規要素はSEOにプラスもマイナスも無い

HTML5をSEO観点で考える上で一番目を引くのは、nav要素やaside要素などの、論理的な意味を持った要素の追加でしょう。
またsection要素の入れ子でHTMLで論理構造を作りやすくなってもいます。

しかし現段階ではHTML5の新要素を検索エンジンが評価しない、と考えるべきでしょう。
論理的な意味を持つ新要素をGoogleが評価した場合、HTML5とHTML4では明らかな有利不利が現れます。
当然ながら、HTML5で書かれたWebページはHTML4で書かれたものに比べて価値があるわけではありません。検索ユーザが検索したいのは役立つコンテンツであって、新しい仕様を使ったり綺麗なHTMLコードで書かれたWebページではないでしょう。
もしもHTML5を有利にしてしまった場合、順位上で一部の先進的Webサイトが有利になることになりますが、それは検索ユーザが望むものにはならないはずです。

また、HTML5などの内部要因はスパムへの転用も簡単です。ページの構造認識のような重要な部分の操作を簡単に出来るようになった場合、一番喜ぶのはスパマーでしょう。

これらの事は、ユーザの検索体験を良くすることに繋がらない事は明白です。

そのため、現状ではHTML5を大きな検索順位の評価には使いづらいと言えます。
現段階での、順位上昇を目的としたHTML5化は無意味なものになってしまいます。

リッチスニペット観点では重要

Googleにおいてリッチスニペットを表示させる場合、Googleの定める独自仕様またはschema.orgで定義された仕様でセマンテックに記述する必要があります。
その記述方法で、最も容易に行えるのはHTML5のmicrodataです。

もちろん、HTML5でないと記述できないわけではありません。
Googleは、schema.org発表前のRDFa等のサポートを今後も継続すると発表しています。
さらに、現段階ではHTML4にmicrodataを書いても、Googleは一応認識してくれます。
また、schema.orgはRDFaにも対応するという発表も2011年11月に行なわれています。

しかし、microdataのみに対応しようとしていた時期が有りました。2011年8月にGoogleが発表して、英語環境では検索結果への表示も行われている「音楽」のリッチスニペットでは、microdataしか使えないschema.orgでしか対応できなかった実例もあります。

今後の流れ次第では変わる可能性はありますが、最もリッチスニペットと適合性があるものはmicrodataであることは確かでしょう。
もしも、様々なコンテンツの展開を予定しているWebサイトであれば、今後の検索エンジンの対応が最も確実なmicrodataが記述できるHTML5としておくのが安全と言えます。

HTML5はSEO観点でのリスクもある

GoogleはHTML5をプラスにもマイナスにも評価しない、という事を何度も述べていますが、一部状況においてはマイナスにはなる可能性はあります。

下記の2点には、特に注意が必要です。

h1多用は怖い(かも)

正しいHTML5を書くと、ひとつのページに複数のh1要素を含む事になりがちです。

昔「h1にキーワードを含めると順位が上がる」などと言われていた時期もありますが、今はそんなことありません。しかし文書の構造の解析において検索エンジンがhx要素を活用していることは明らかですので、h1要素はSEOでは重要な部分となります。

ページに一つだけのページテーマを示す場合が多かったh1要素を複数持つ事は、以前はSEO観点でマイナスとなることがありました。
現段階で、Googleが正しく組まれたHTML5での複数のh1要素を、結果的にマイナスに扱っていると判断できる事例は見たことがありません。
しかし以前はマイナスだったことを行うのは、いつアルゴリズムが調整されるか分かりませんし恐ろしい事です。また、Googleより劣った検索エンジンが正確に評価できるとは限りません。

HTML5を正しく記述する上で複数のh1記述は避けづらいですが、やはり若干注意を払うべきと考えます。

これは私見ですが、ユーザにわかりやすいページをHTML5で正しく論理構造化した場合、非常に多くのh1要素を含むようなページにはならないのではないでしょうか。あまりに多くのh1要素を含むようなページだった場合、ページの情報の論理構造から見なおしてみるべきかもしれません。

iframeの不安

HTML5では新しい要素が追加されただけではなく、復活した要素もあります。
その中で、HTML4のstrict条件で排除されていたiframe要素が復活する予定なのはSEO観点では大きな不安があります。

iframe要素は、検索エンジンが認識しづらい要素です。検索エンジンのiframeの扱いは複雑なので一概には書けませんが、検索エンジンに評価されたい部分をiframeで表現するのは避けるのがSEOでの常識です。

しかし、HTML5でiframeが復活したことが影響しているのか、最近のWebサイトでiframeが使われているのを見ることが増えたように感じます。

今後、検索エンジンがiframeを正しく解釈できるようになることもあるかもしれません。しかし、やはり現段階では評価しづらいものであって、それを評価するのは相当先だろう、と私は推測しています。
たとえHTML5の仕様が許したとしても、検索エンジンに認識させたい部分をiframeで記述するのは避けるべきでしょう。

HTML5とSEOの今後

これまで書いてきました通り、現段階ではHTML5化はSEOにはプラスは無い、という事が言えます。

しかし「現段階」に限った話です。

最初に述べた通り、SEO観点で重要な論理構造化をHTML5では行いやすいです。今後、HTML5で記述すると検索エンジンがより的確にページを認識してくれるようになる可能性は極めて高いと考えられます。

さて、その今後はいつになるでしょう?
私にはわかりません。それはHTML5の普及次第と考えます。HTML5がより普及して、多くのWebページがHTML5の論理構造化とセマンテック化が行われた状態で記述されるようになれば、検索エンジンもより精度の高い検索結果を作るために、それらの情報を使い出す事でしょう。

WebページをHTML5対応は、レガシーブラウザ対応が難しいなど困難な部分もあります。しかしHTML5としておくことで今後高い確率でプラスとなるのであれば、充分に検討の余地はあるはずです。

長期間使っていくWebサイトであれば、今後行う新規構築・リニューアル時にHTML5としておくことは、長期的なSEOの観点でも是非お勧めしたい事です。


最後に、この勉強会に参加くださっていた方々、お聞き下さって有難うございました。
また、パネルディスカッションにお声掛けいただいた白石さん、本当に有難うございました。

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